単峰性数列

単峰性数列 (unimodal sequence) とは、途中まで単調増加でそれ以降は単調減少であるような数列のことである。このような数列の性質について述べる。

単峰性数列

単峰性数列とは、数列のうち特定の条件を満たすものである。

定義$(a_i)_{i=1,\dots,n}$ を数列とする。自然数 $m\in\{1,\dots,n\}$ が存在して、$i=1,\dots,m-1$ に対して\[a_i\leq a_{i+1}\]であり $i=m,\dots,n-1$ に対して\[a_i\geq a_{i+1}\]であるとき、$(a_i)_{i=1,\dots,n}$ は単峰性数列であり、$m$ はこの単峰性数列のである。

この定義をより大雑把に書くと\[a_1\leq a_2\leq\dots\leq a_{m-1}\leq a_m\geq a_{m+1}\geq\dots \geq a_{n-1}\geq a_n\]ということになる。

単峰性数列の交代級数

単峰性数列の交代級数 (交項級数) の部分和についての定理を示す。

定理$(a_i)_{i=1,\dots,n}$ を単峰性数列とし、その任意の要素は非負であるとする。このとき、\[\sum^n_{i=1} (-1)^{i+1}a_i=0\]であるなら、任意の $k=1,\dots,n$ に対して\begin{eqnarray}\sum^k_{i=1} (-1)^{i+1}a_i \geq 0 &\;\;\;\;\;& \text{if $k$ is odd}\\ \sum^k_{i=1} (-1)^{i+1}a_i \leq 0 &\;\;\;\;\;& \text{if $k$ is even}\end{eqnarray}

(証明) $(a_i)$ の峰を $m$ とする。まず $k \leq m$ のときを証明する。$k\leq m$ であって $k$ が奇数であるとき、任意の $i=1,\dots,k-1$ に対して $-a_i+a_{i+1}\geq 0$ であるので、\begin{eqnarray}\sum^k_{i=1} (-1)^{i+1}a_i &=& a_1 + \sum^{(k-1)/2}_{i=1}(-a_{2i}+a_{2i+1}) \\&\geq&a_1\\&\geq&0.\end{eqnarray}

$k\leq m$ であって $k$ が偶数であるとき、任意の $i=2,\dots,k$ に対して $a_{i-1}-a_i\leq 0$ であるので、\begin{eqnarray}\sum^k_{i=1} (-1)^{i+1}a_i &=& \sum^{k/2}_{i=1}(a_{2i-1}-a_{2i}) \\&\leq&0.\end{eqnarray}

次に $k\gt m$ のときを証明する。$k\gt m$ であって $k$ と $n$ がともに奇数であるとき、任意の $i=k,\dots,n$ に対して $a_i-a_{i+1}\geq 0$ であるので、\begin{eqnarray}\sum^k_{i=1} (-1)^{i+1}a_i &=& -\sum^n_{i=k+1} (-1)^{i+1} a_i\\&=& \sum^n_{i=k+1} (-1)^i a_i\\ &=& \sum^{(n-1)/2}_{i=(k+1)/2}(a_{2i}-a_{2i+1}) \\ &\geq& 0.\end{eqnarray}

$k\gt m$ であって $k$ が奇数で $n$ が偶数であるとき、任意の $i=k,\dots,n-1$ に対して $a_i-a_{i+1}\geq 0$ であるので、\begin{eqnarray}\sum^k_{i=1} (-1)^{i+1}a_i &=& -\sum^n_{i=k+1} (-1)^{i+1} a_i\\&=& \sum^n_{i=k+1} (-1)^i a_i\\ &=& a_n+\sum^{n/2-1}_{i=(k+1)/2}(a_{2i}-a_{2i+1}) \\ &\geq& 0.\end{eqnarray}

$k\gt m$ であって $k$ が偶数で $n$ が奇数であるとき、任意の $i=k,\dots,n$ に対して $-a_{i-1}+a_i\leq 0$ であるので、\begin{eqnarray}\sum^k_{i=1} (-1)^{i+1}a_i &=& -\sum^n_{i=k+1} (-1)^{i+1} a_i\\&=& \sum^n_{i=k+1} (-1)^i a_i\\ &=& -a_n+\sum^{(n-1)/2}_{i=k/2+1}(-a_{2i-1}+a_{2i}) \\ &\leq& 0.\end{eqnarray}

$k\gt m$ であって $k$ と $n$ がともに偶数であるとき、任意の $i=k,\dots,n$ に対して $-a_{i-1}+a_i\leq 0$ であるので、\begin{eqnarray}\sum^k_{i=1} (-1)^{i+1}a_i &=& -\sum^n_{i=k+1} (-1)^{i+1} a_i\\&=& \sum^n_{i=k+1} (-1)^i a_i\\ &=& \sum^{n/2}_{i=k/2+1}(-a_{2i-1}+a_{2i}) \\ &\leq& 0.\end{eqnarray}

数学  2018/05/17  k.izumi