前回まででは、各自然数や自然数集合 $\omega$ を集合として定義したうえで、冪集合公理を導入することで多様な集合の存在を示すことができるようになった。今回は部分集合の存在を示す公理を導入することで、より多くの集合の存在を示せるようにする。
前回まででは、各自然数や自然数集合 $\omega$ を集合として定義したうえで、冪集合公理を導入することで多様な集合の存在を示すことができるようになった。今回は部分集合の存在を示す公理を導入することで、より多くの集合の存在を示せるようにする。
前回は自然数を集合として定義した。これによって、外延的記法を用いればいくつかの自然数だけが属する集合をいろいろ作れるようになった。そこで、この記事では集合同士の関係を新たに一つ導入する。
ここまでで集合論のいくつかの公理 (ルール) を持ち出すことで、すでにモノが存在するなら、そこから外延的記法を使って記述できるいくつものモノもまた存在することが示された。今回はこれを利用して、自然数を定義する。このシリーズでは「すべてのモノは集合である」ような論理を扱っているので、当然ながらこれから定義する自然数もすべて集合である。
ここまでで、集合論の言葉ではすべてのモノが集合であること、集合同士に $\in$ で表される関係があったりなかったりすること、モノ (集合) 同士はどういうときに『等しい・同じ』と見なすのかを説明してきた。この記事では具体的に有限集合を作り表記する方法である外延的記法について、その使い方と使える根拠を述べる。
前回は集合論の記号 $\in$ は2つのモノ (集合) の関係を表す記号であると説明した。今回以降では集合に関するルール (公理) を導入していくことで、2つの集合はどういうときにこの関係にあって、どういうときにこの関係に無いのかを明らかにしていく。この記事ではまず集合同士が等しいことと結びつけて考える。
集合論の言葉を使うにあたって、その中でもっとも (ある意味で唯一の) 特徴的な記号 ∊ の使い方と意味のとらえ方を確かめる。後に導入される集合のルール (公理) もこの記号を用いて記述されるのでこの記号は使えるようにしたい。
このシリーズでは、集合論の言葉でどんなものを表現できるかを紹介していく。その前段階として、この記事では『集合論の言葉』とは何かということと、集合論の言葉で表現する利点について述べておく。
結合則は一部の演算について成立する法則である。じつは結合則が成立する場合には必ず一般結合則も成立するのだが、そのことをこの記事で示していく。
ランダウのオーダー記法とは、2つの実数関数の比較に用いられる記法である。この記事では、どのような理由でどのような特徴をもつ比較方法が必要となるかを説明し、その比較方法としてランダウのオーダー記法を紹介する。
シリーズ本編ではランダウの記法について集合論に基づかない定義をしていた。しかし、その定義の中で集合論の記号 $\in$ を用いておりあたかも $O(g)$ や $\Theta(g)$ が集合であるかのように扱っていた。この記事では、本当に $O(g)$ と $\Theta(g)$ を集合として定義し、いままで定義としていた同値式を集合論的に意味を持つようにする。