ランダウのオーダー記法とは、2つの実数関数の比較に用いられる記法である。この記事では、どのような理由でどのような特徴をもつ比較方法が必要となるかを説明し、その比較方法としてランダウのオーダー記法を紹介する。
ランダウのオーダー記法とは、2つの実数関数の比較に用いられる記法である。この記事では、どのような理由でどのような特徴をもつ比較方法が必要となるかを説明し、その比較方法としてランダウのオーダー記法を紹介する。
シリーズ本編ではランダウの記法について集合論に基づかない定義をしていた。しかし、その定義の中で集合論の記号 $\in$ を用いておりあたかも $O(g)$ や $\Theta(g)$ が集合であるかのように扱っていた。この記事では、本当に $O(g)$ と $\Theta(g)$ を集合として定義し、いままで定義としていた同値式を集合論的に意味を持つようにする。
前回は $O$-記法が実数関数同士の「ある意味での大小関係」として捉えられることを説明した。今回は $\Theta$-記法が実数関数同士の同値関係であること、つまり $\Theta$-記法が実数関数同士の「ある意味で等しい」ことを表す関係としてとらえられることを示す。そのことにより、シリーズ最初の記事で与えた「$f$ のオーダーと $g$ のオーダーは同程度である」という表現が実態に合っていることを確かめる。
ランダウのオーダー記法とは、関数の極限におけるふるまいを比較する方法である。ここでは、関数同士の足し算などでオーダーが保存されることを示す。このことは、オーダーの意義を考えるうえで重要な性質となる。
シリーズの最初の記事で、2つの実数関数 $f$, $g$ 同士の比較方法として $O$-記法 ($f\in O(g)$) を定義し、直感的に「$f$ のオーダーは $g$ のオーダー以下である」という表現を与えた。この記事では、このまるで大小関係であるかのような直感的表現が実態とかけ離れていないことを説明する。
ランダウのオーダー記法とは、関数を比較する方法である。ここでは、諸々の初等関数についてどのようにオーダー表記できるかを論じる。