以前の記事で二項関係を定義したが、その中でも特別な性質を満たすものを全順序関係とよぶ。自然数の大小関係もこの全順序関係となるので、自然数の大小関係を例として全順序関係について述べる。
全順序関係
シリーズ: 集合論の言葉を使おう (準備編)
2018/05/21
k.izumi
以前の記事で二項関係を定義したが、その中でも特別な性質を満たすものを全順序関係とよぶ。自然数の大小関係もこの全順序関係となるので、自然数の大小関係を例として全順序関係について述べる。
ここまでで、自然数や集合論に関する諸々の概念を述べ、それらを集合として定義し、その存在を証明してきた。今回以降はこれらを使って、整数・有理数・実数を集合として定義し、集合論の言葉で使う準備を整える。
以前の記事で二項関係を定義したが、その中でも特別な性質を満たすものを同値関係とよぶ。この同値関係は自然数を元に整数などを定義する際に重要となるので、ここで定義してその性質に触れておく。
前々回は写像を集合論の言葉で定義し、使えるようにした。二項演算はこの写像として定義できるので、今回は二項演算を定義する。これによって、以前定義した自然数に足し算などの演算を与えることができる。
前回は写像を集合論の言葉で定義し、使えるようにした。実は数列は写像を使って簡単に定義できるので、ここで定義してしまうことにする。
単峰性数列 (unimodal sequence) とは、途中まで単調増加でそれ以降は単調減少であるような数列のことである。このような数列の性質について述べる。
前回の記事では順序対や直積集合を定義したが、二項関係や写像は直積集合の部分集合と定義されるので、前回の記事でその準備が整ったことになる。そこで、今回は二項関係と写像について述べる。
高校数学では当たり前のように四則演算と極限を入れ替えていた。しかし、極限を ε-δ 論法 (あるいは ε-N 論法) で厳密に定義したとき、本当にそのような性質は持っているのであろうか、その証明が必要となる。
この記事では、ペアノの公理を満たす『自然数』の乗法を定義し、その性質を論じる。ただし、加法はすでに定義できているものとして扱い、その加法は結合的で可換であることもすでに示されているものとする。
(いずれ自然数の記事シリーズを作ってそこに編入したいと考えている)
前回までで自然数を用意し、外延的記法や内包的記法で基本的な集合を記述する準備が整った。ここからは、様々な集合を特別な数学的対象として扱うことを考える。そこで、まずは順序対を集合として定義する。